都内の中学入試まであと3か月を切りました。
受験生はもちろんのこと、受験生のお母さんたちは大なり小なり苦労されている方が多いのではないでしょうか。
特に子供がADHDを持っていると、中学受験までの道のりは、山あり谷ありです。
うちのちょこ太の場合はADHD注意欠如タイプでASDを併発しているので、中学受験当日まで・・・いえ、その後もかなりの壁にぶつかり続けています。
ADHDを持った子は中学受験はできないのかというと、そんなことはないと思います。
ちょこ太はADHDとASDを持っている男子ですが、2学年下のADHDの娘と比べると同じADHDでも特性のあらわれ方が違います。
一概にすべてのADHDをもつ子供が中学受験には向かないとは言えないと思います。
今回は、ちょこ太と私が2年前に経験した中学受験のことについてお話ししたいと思います!
ADHDだと中学受験は無理?
ADHDをもつ子供でも、その程度やあらわれる特性はそれぞれ違います。
2年前に中学受験をした長男のちょこ太は、母親のわたしや娘と比べて、ADHDとASDの特性がかなり強く出ています。
ですから、中学受験までの苦労は私にとって並大抵のものではありませんでした。
それに比べて、2年後に受験をひかえている娘のななは、ADHDの特性がそれほど強く出ていないので、母親の私がその特性を理解した上で受験まで準備できれば息子ほどの苦労はないかな・・・と思っています。
あくまでも予想ですが(^^;
ADHDの中学受験は無理ということはないと思います。
ただ、受験する学校のレベルはもちろん大事になってくるとは思います。
上位校といわれる難関校を受験する場合は、かなりの時間を受験勉強に費やす必要があり、そのためにやりたいことを我慢して、嫌な勉強を長時間やらせなければならなくなります。
お子さんの好きな教科が算数だったり、国語だったり、勉強そのものが好きという場合は、好きなことをするときには超集中することができるADHDだからこそ、心配することはないと思います。
でも、あまり勉強が好きではない場合、集中力が続かないので長時間勉強することが難しいADHDの子は、時間を短く区切って勉強をさせなければなりません。
直前に長時間集中してやらせるといった方法がADHDのこの場合、なかなか難しいので、長期戦で計画を立てるようにしたほうがいいと思います。
うちのちょこ太は、小学校1年生から有名進学塾へ通っていました。
公立小学校へ通っていたのですが、運動が嫌いでプールも体操も続かず、それなら・・・という感じで軽い気持ちで入れてしまいました。
小学校3年生までは勉強ものんびりペースでクラスも少人数だったため、楽しく通っていたようですが、4年に上がると一変してしまいました。
中学受験する子供は4年になる年の2月から入塾するケースが多く、ちょこ太の塾の周りの空気が一気に真剣モードになってしまったからです。
それまでも、宿題は必要最小限しかやらず、コツコツやってこなかったちょこ太は授業についていけなくなり、だんだんお客様状態に。
そのうち塾へ行く足が重くなり、ある時塾から電話がかかってきました。
「ちょこ太くんが授業に来ていないのですが・・・。」
そんなことが何度か続き、ちょこ太と塾の先生と3人で話し合って、塾をやめることにしました。
ADHDで中学受験する場合は塾と家庭教師どっちがいい?
4年の夏に塾をやめたちょこ太は、そのあとADHDの子供でもみてくれる個別塾を調べて、何か所か入ってみました。
2対1の塾なども行かせてみましたが、集中力が続かないので誰かと授業を受けるのは難しいと言われてしまい、塾では個別一択になりました。
そのあと人に聞いたり、ネットで調べたり、発達障害の支援施設で相談したりして、いろんな塾へ行かせましたが、結局最後は某有名個別塾へ入りました。
小5の4月頃でした。
個別塾でもいろいろと大変で、2コマ続けてある授業を途中で抜け出したり。
勉強が嫌で、床にふて寝してしまったちょこ太がどうやっても起きないので、困り果てた先生から電話がかかってきたり。
そんな状態でもなんとか小6の秋を迎え、塾から帰ると全く勉強しないのが不安で、家庭教師を頼みました。
家庭教師も、若い学生から30代の方、東大出身のプロ家庭教師まで今まで8人くらいお願いしました。
息子の受験を終えて自分の体験から思ったのは、ADHDは塾は個別しか難しいということ。
個別は一対一なので、個別なら塾でも家庭教師でもどちらでも変わらないという感想です。
個別も家庭教師も教える場所が違うだけで、大事なのは誰が教えるかということです。
これは我が家の場合ですが、教える先生の学歴は全く関係ないということです。
極端な話、大卒じゃなくてもその問題が教えられればいいと思いました。
もちろん、御三家などの難関校受験の場合は違うかもしれません。
いくらその個別の先生や、家庭教師がとても優秀で東大卒でも、うちの子の心を動かすことができなければ、その経歴はまったく意味がないんです。
今、ちょこ太がお世話になっている先生は8人目でやっと出会えた先生です。
その先生は、26歳の一流の大学を卒業されていますが、東大や早慶ではありません。
でも、誰よりもうちの子の心を動かしてくれました。
ADHDに精通しているわけでもありません。
その先生は人として、責任感があり冷静に子供をみれる素晴らしい方だと思います。
でも、長女の受験でお願いできるかといえば、それはまた違うと思います。
ちょこ太とななは性格やADHDの特性が違うからです。
○○法といったノウハウは世の中にたくさんありますが、その人の体質や性格、生活習慣によって合う合わないがありますね。
それと同じで、Aさんが受験勉強はこうやって成功したから、この塾がよかったから、この先生がよかったから
うちの子が当てはまるわけではないということです。
そのいい方法をうまく組み合わせて、我が子に会う方法をカスタマイズすることが大事なんだと思います。
先生はパーツを組み合わせることができないので(笑)
その子に合った先生を探すしかないんです。
これは、私が思う中学受験や勉強させるためにADHDの子供をどうやってやる気にさせるかということなので、ほかにもアプローチの仕方はあると思います。
私も、今はこうやって経験をお話ししていますが、受験生の母だったときは冷静に分析する余裕などありませんでした。
毎日が焦る気持ちと、やる気の全くない息子との闘いの日々でした。
そんな最愛の息子とバトルしあった中学受験を終えてわかったことは、『やる気のない子供をかえるには子供に合った先生に出会うこと』です。
どんな家庭教師センターがいいとか、どんな塾がいいとかではないと思います。
これはあくまでもADHDの子供の場合なので、ADHDではない受験生の場合はまた違ったやり方のほうがいいかもしれません。
ADHDの中学受験が成功するためには
今もちょこ太は詰込みの勉強ができません。
いわゆる一夜漬けをさせることは難しいです。
ADHDはやりたくないことを集中して長時間やり続けることがかなり難しいんです。
中学受験をさせることが急に決まった場合には仕方ないと思いますが、小学校低学年のうちに決めたのであれば、コツコツ少しずつこなして作り上げていくことがいいと思います。
我が家の場合、小5から詰込み型の受験勉強をやったため、塾を抜け出してどこかへ行ってしまうこと数回、そして、ついには塾のそばの本屋で万引きをしてしまいました。
塾へ迎えに行く時間に、警察で保護されてうなだれている息子を見たとき、涙と共にちょこ太をどうやって育てていったらいいのか不安で押しつぶされそうになりました。
それまで無我夢中で何とか目の前のことを一つ一つ乗り越えながら二人でやってきて、中学受験でのできごとは今までの山とは質も大きさも違っていました。
お前はちょこ太に期待しすぎてるんだ。時間と金をかけるだけ無駄・・・と何度主人に言われたかわかりません。
期待しすぎているのとは違う、何もしないであきらめることが私にはできませんでした。
でも、だからこそストレスや辛い思いもする・・・ADHDならではのこだわりなんです。
ADHDの子供は精神的に追い込まれると殻にこもってしまいます。
ADHDではない子と比べると忍耐力がないので、一気に負荷をかけることは絶対にさけなければなりません。
一般的に一流と言われる塾や家庭教師の釣り書きもADHDには何の意味もなく、塾や家庭教師を頼んだ時間数は結果と比例はしないんです。
特性以外に性格がそれぞれなので、ADHDの子が中学受験に成功する方法は一つではないですが、どの子にも共通し、合格への近道と言えるのはその子に合った個別塾や家庭教師の先生を見つけること。
ADHDの研修をしていますと広告に書いている家庭教師センターがいくつかありますが、それは合った先生とは意味が違います。
ちなみにADHDの研修と言っている多くは数ページほどADHDについて書いてある資料を読ませただけというのがその実態です。
もちろんADHDの特性について知っていて、接し方を知っていることは役立ちますが、その先生が我が子の心を動かすことができ、受験を成功させるかどうかとはまた別です。
ADHDというのはその子の特性であって、ADHDというひとくくりでその子供個人を表すことはできません。
ADHDではない子供たちと同じように、性格はその子それぞれ違うからです。
「ADHDの顔の特徴」などと検索する人が多くいるのがびっくりしてしまいます。
発達障害という言葉が生まれて世の中に浸透するようになって、発達障害への理解と共に偏見と誤解も多く広まっているような気がしてなりません。
ちょっとこだわりが強かったり、苦手なことが多かったりしますが、それはADHDの子供でなくても得手不得手があったりするのと同じです。
ADHDだと苦手なものや得意なもののの傾向が似ているということです。
中学受験ではADHDの子供の母親が長期計画を立てて、無理のないように受験範囲をやらせていく。
集団塾でお客様になるようだったら、なるべく早く個別塾か家庭教師に切り替えることがいいと思います。
本人が嫌だと感じてしまうと受験勉強を拒絶してしまうので、そうならないような長期的なスケジューリングをして、自己肯定感を感じにくいADHDの子供に小さなゴールを少しずつ設定して達成感を感じさせる。
それを繰り返すことによって自己肯定感も高まり、受験に向けてモチベーションにつながるのではないかと思います。
残念ながらちょこ太はそうやってあげられませんでした。
ADHDの子供の苦手な部分を甘く見ていたのです。
そのせいでちょこ太は気持ちの準備ができていないのに、私がおそろしいほど負荷をかけてストレスでがんじがらめにしてしまいました。
その負荷がその子の肥やしになる場合とただの負担になってしまう場合とあるのだと思います。
ちょこ太の場合は完全に後者でした。
ADHDは急な環境の変化などに対応することが苦手なことなど、その特性を分かってあげたうえで
ゆったりとした計画を立ててあげる。
ADHDは知的には普通の子供と一緒なので、苦手なところをカバーするような中学受験をママが計画してあげることが成功するコツだと思います。
その上でいい先生を探すというより、子供に合った先生を労力を使って探すことが一番大事なのではないかな、というのがちょこ太の受験を通して学んだわたしの答えです^^
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